2017-12-07

なぜ、外国人旅行者は空港でガチャを買うのか?第1回

01 あまった小銭をオモチャに!
 
     

    飯田――本日は空港で展開中の「JAPANESE CAPSULE TOY GACHA 」の企画と実施をしている代表の方々にお集まり頂きまして「なぜ、外国人旅行者は空港でガチャを買うのか?」をテーマに深く掘り下げていきたいと思っています。正直言いまして、ここまで成功するとは思っていなかったんですけども、そのあたり森川さん、いかがでしょうか。

    森川――はい、わかりました。成功ですか…そうですね。やはり予想外に売れたというのが率直な感想ですが、個人的には、実はもう少し実績になるまで時間がかかると思っていました。
    みんなで成田空港をゆっくり歩きながら“ガチャの面白さを真っ直ぐに海外の方へ伝えたい!”と一番に思ってたじゃないですか。こんなに早くズバッと伝わったのは、ちょっと驚きました。


    飯田――そうですね、反応が予想よりも早かったですよね。売り上げもしかり、それからSNSもしかり。

    徳井――僕はわりとすぐに効果が出るのではないかと予想していましたが、最初の1ヶ月はSNSなどの反応がなくて、ドキドキしていました。でもしっかり反応があってよかったです。

    森岡――僕は爆発的に売れるという予想はしていなかったですけど、でもガチャって一発当たるかどうか、みたいな感じがあるじゃないですか。それは、国が違っても変わらないのかなって思っていました。今回、外国人にもそれがうまいことハマった、という感じでしたね。


    飯田――
    いくつか成功要因があると考えていまして、一つは、空港に設置したことが大きかったと思いますが、いかがでしょうか?

    森川――やはりギャップが出しやすかったというのはありますね。空港にガチャを置くことは、たぶん誰も想像しないので、ギャップが出せれば海外の方が近づいて来てくれるとは思っていました。ですが、課題としては、ガチャに近づいてもらえても、そこから先のアクションにつなげるためには、弊社だけでは難しいと思ったので、電通テックさんにお声掛けさせていただきました。結果、“余った小銭が使える”ということが一つのメッセージとなり、我々が思っている以上に反応が大きかったです。

    飯田――そうですね、大きかったですね。それともう一つ、個人的に非常にいいポイントだと思ったのが、空港は毎日お客様が変わるので飽きられないといいますか、やはり商品販売で一番怖いのは飽きられることなので、そこが毎日ものすごい人数の方が入れ替わるので、そこは非常に大きかったと思いました。そこは最初あまり気付いてなかったんですね。やっているうちに、これはすごいマーケットだなと思いました。あと、変な話待ち時間が長い。

    森川――これは意外でしたよね(笑)。

    飯田――夜中に売れていますよね(笑)。お店が全部閉まった後に、ガチャだけは楽しめると。


    森川――そういう意味では日本では考えられないんですけど、あのたくさんのガチャを海外の方は一つ一つ丁寧に見てくれるのが非常に大きくて、待ち時間が長いので余裕があるから、しっかりと見てもらえるので購買につながっているのかなと。 それも最初は予想してなかったですよね。

    飯田――この夜中のマーケットは、新しいビジネスチャンスとして面白いと思いました。無人でも機能するというガチャの利点も大きかったと思います。
    今回のように空港で展開する時に、お店を構えようとすると非常にコストが掛かりますが、ガチャだとガチャマシーンをゴロゴロと押して行って、そこで売り場が完成してしまう良さがありました。
    ガチャマシーンの什器デザインについても工夫していると思うのですが、どうですか?

    徳井――まず、ガチャマシーンは、広いスペースでも狭いスペースでも電気を使わずに、置くだけで遊べるという特徴があります。このデジタル時代に電気を必要としないアナログな自動販売機というのが面白い。そういったガチャの特徴を活かすために、フィギュアをディスプレイする什器やメッセージ什器など、並んだ時に美しく見えるように天地、横幅などをガチャマシーンに合うようにデザインしています。


    飯田――さまざまなスペースでの展開が出来ることと、いろいろなメッセージを発信出来るのもガチャマシーンの特徴といえますね。

    森川――そうですね。手軽さ、気軽さ。

    飯田――失敗したら撤収するのも簡単に出来ますしね(笑)。そういった利点は大いにありますね。開発コストがあまりかからない、優れたビジネスモデルだと思います。

    飯田――あともう一つ大きかったのがSNSですかね。これも空港ならではだと思うんですけど海外の方が来てパシャパシャ写真を撮ってSNSで送ると、色んな国の方が反応するというのも非常に大きかったなと思いました。そのあたりいかがでしょうか?

    森川――そうですね、僕自身すごい勉強になりました。情報をSNSで皆様に知っていただくことは常に課題で、どういう見せ方で、どういうコメントで、どういうタイミングで、という「やり方」に固執してしまいがちですが、今回あえてSNSの発信は、一回しか発信しなかったじゃないですか。それでも拡散された大きな要因は、我々がここで何を伝えたいかだけを深掘りして出したメッセージが海外の方からすると分かりやすくて、面白く感じていただけたようです。


    飯田――そうですよね。韓国の方が割と反応が早かったですね。SNSを見て直接売り場に買いにくる方がいたと森川さんから聞いて、これはやっぱりすごいなと思いました。日本と海外の市場だと全然規模が違うんだなって思いました。
    それと、空港ということでメディアの方々が、かなり来たのも空港ならではかなと、ここでかなりの数の取材を森川さんが受けられて業界ではちょっとした有名人になってしまったんですけど(笑)。

    森川――いやいやちょっと恐れ多いです(笑)。僕らもメディアに取り上げられることを目的とせずに、とにかく海外の方に残った最後のお金で楽しんでもらうというのを、ずっと突き詰めていただけで、でもそれが一番皆さんに面白がってもらえて、メディア露出につながったと思いました。

    飯田――広告予算ゼロですもんね。

    森川――そうです。

    飯田――1円も広告費をかけてないですけども、広告効果はとても大きかったです。

    森川――素晴らしいです。


    森川 修
    株式会社タカラトミーアーツ ガチャ マーケティングプランナー
    ガチャ事業のマーケティング戦略に携わりながらガチャイベントなどの実践も数多く手掛ける
    ガチャマーケティングのプロフェッショナル。


    飯田 雅実
    株式会社電通テック クリエーテイブディレクター
    広告領域を中心にキャンペーングッズの企画なども手掛け、2013年にガチャブランド「パンダの穴」をタカラトミーアーツと立ち上げる。

    徳井 伸哉
    株式会社電通テック アートディレクター
    広告領域からプロモーションなどの企画を手掛け、「パンダの穴」では「フルーツゾンビ」の企画者でありブランド全体のデザインワークも行う。

    森岡 祐二
    株式会社電通テック コピーライター
    広告領域からプロモーションのコピーライティングを手掛け「パンダの穴」では「山本くん」で小説を執筆。ブランドのコピーワークも行う。


    ※2022年4月より電通テックから電通プロモーションプラスへ社名変更しました。

    Written by: BAE編集部

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