2023-08-18

「空飛ぶLED布ディスプレイ」が実現する、驚異の空間演出と映像表現

ドローン×進化したLEDがもたらす新しい体験
屋外の風景を彩る演出手法として、エンタメやプロモーションの分野で広く使用されているプロジェクションマッピングや大型LEDビジョン。これらの表現力を超えるような、新たなテクノロジーが登場しました。

「LED VISION DRONE」は、2023年6月に発表されたばかりの大型ドローンで吊り上げる布状の巨大軽量LEDディスプレイ。これによって、どのような空間演出が可能になるのか、広告媒体としてはどのような活用ができそうか。開発とプロデュースを総合的に行う、エムプラスプラス代表の藤本実さんに、お話を伺いました。


LEDをリボンや旗に装着して光らせる、新たな表現方法

——はじめに、エムプラスプラスさんについて教えてください。また、「LED VISION DRONE」はどのような経緯で開発されたのでしょうか。

弊社は、テクノロジーを駆使した新たな表現を追求するクリエーティブ集団です。ダンスとテクノロジーを融合させるという発想から、LEDを装着したスーツやリボン、フラッグといった独自のプロダクトを用いたダンスパフォーマンスシステムの開発から演出、テクニカルディレクションまでを一貫して手がけてきました。

旗の両面に無数のLEDを装着した「LED VISION FLAG」は、数多くのライブステージで使用された。画像はエムプラスプラス プレスリリースより

旗の両面に無数のLEDを装着した「LED VISION FLAG」は、数多くのライブステージで使用された。画像はエムプラスプラス プレスリリースより

また、ドローンによる光の演出としては、今回の「LED VISION DRONE」に先駆けて、2018年に「FlyingVision」というものを発表しています。最近では、数百〜数千ものドローンを飛ばして空中で光の演出を行うドローンショーが盛んに実施されていますが、「FlyingVision」はそれとは少し異なり、6,000個のLEDを一台のドローンの外周に格子状に装着して、映像を出力するという装置です。おかげさまで、さまざまなイベントで使っていただいたわけですが、映像表現がドローンの大きさに制限されるという点は一つの課題でした。

空中で映像を出力する「FlyingVision」

転機となったのは、2年ほど前に耐久性に優れたLEDを開発したことです。この技術革新に加え、LEDを制御するハードウェアをより軽くすることができれば、ドローンを使ってもっと大きな映像が出力できるのではないか。そう考え、大型の機体をオリジナルで製作する株式会社ドックスさんと共に昨年から開発をはじめました。それが、今回発表した「LED VISION DRONE」です。


空飛ぶ巨大縦型スクリーン「LED VISION DRONE」

——「LED VISION DRONE」の概要を教えてください。

映像を見ていただくとわかりやすいのですが、LEDを搭載した巨大な布状のディスプレイをドローンで吊るすことで、「空飛ぶディスプレイ」を実現することができます。

LED VISION DRONEのデモンストレーション動画

布ディスプレイの大きさや形はカスタマイズすることも可能ですが、今回発表したものは、フルカラーLED17,280個を搭載、ディスプレイのサイズが、幅は約2.6メートル、高さは6.8メートルとなります。

——どのような映像表現が可能ですか。

映像はディスプレイのサイズに調整していただいたものであれば、基本的にはどのようなものでも表示することが可能です。巨人が空中を歩いているような映像であったり、夜空に異世界の扉が開く、といった劇的な演出であったり、インパクトの大きな映像表現が実現できます。

エムプラスプラス株式会社 プレスリリースより

また、風による影響を考慮した結果、布ディスプレイは安定性のある縦長サイズになっているのですが、縦長であるゆえに日本語の縦書き表記がとてもマッチしますし、TikTokのような縦長ショートムービーとの相性はいいと思われます。

さらに、白く薄い素材を使って半分透けるような布状LEDなので、空に飛ばすことで映像が風景に馴染む、あるいは「借景」ができることは、LED VISION DRONEを使う際の大きなメリットになると思います。


将来的にはドローンによる街中ジャックも可能に!?

――どのような活用方法を想定されていますか。

発表後、すでに数多くのオファーをいただいているのですが、まず、ドームなどの大型施設内でイベントやエンターテインメントで演出として利用するという活用法が考えられます。ライブコンサートやイベント現場でのクライマックスで登場させたら、大いに盛り上がるでしょう。ドローンは離陸してから上空に上がっていくときに音が出ますが、その迫力ある音も、観衆の興奮をかき立てます。

——エンタメとしての活用のほか、アドバルーンのような、プロモーション手段として活用できそうでしょうか。

はい。その場合、ポイントとなるのは、アドバルーンや飛行船などとは違って、情報を開示するタイミングを自由に制御できるという点です。アドバルーンでしたら空に上がった段階でネタバレしてしまいますが、「LED VISION DRONE」は空にドローンを飛ばしても、映像を流さないうちは情報が開示されません。つまり新商品などのサプライズ発表にも有効ということです。

エムプラスプラス株式会社 プレスリリースより

先ほどお伝えした通り、布ディスプレイの大きさや形はカスタマイズすることも可能なので、訴求したい製品などの形(例えばバッグの形など)の「LED VISION DRONE」を作ることもできますし、縦横比を変更することも可能です。たくさんのドローンを飛ばして群制御する演出方法に比べ、映像としてより細やかな広告表現ができる点も「LED VISION DRONE」のメリットといえるでしょう。

また、たくさんのドローンを街中に飛ばすことで、街そのものをジャックするといった、大規模なプロモーションも考えられます。

——渋谷や新宿の街をジャックできたらすごいなと思いつつ、都内はドローンに対する法規制が厳しいという印象があります。

確かに、日本の法規制は世界の中でも一段と厳しいとはいわれています。ドローンの利便性と表現利用を高められるように、ルール整備が早く進むことを願いますが、2021年の五輪開会式でも見られた、二千台近くのドローンによる光のパフォーマンスと比べれば、「LED VISION DRONE」はたった一台のドローンで行う演出なので、規制はクリアしやすいのではないかと思っています。

——最後に、今後の取り組みについて教えてください。

2023年7月25日~7月30日のプロ野球・阪神タイガース恒例の夏のイベント「ウル虎の夏2023」で、阪神が勝利した際のサプライズ演出として「LED VISION DRONE」で六甲おろしの歌詞を空中で表示。SNS上でも大きな話題となった。(MPLUSPLUSWEBより引用)


今回「LED VISION DRONE」というアイデアが生まれたように、壊れにくいLEDという技術革新によって、今までは不可能だと思われていた数々のアイデアが、実現可能な領域に入ってきています。

ディスプレイといえば、これまでは「硬くて平面以外に用いると壊れてしまう」というイメージがあったと思うのですが、くにゃっとした曲面のディスプレイにしても多少の衝撃なら耐えられるようになり、あらゆる場所をディスプレイにすることができるようになった。可能性が広がったことで、私たちとしても挑戦してみたいことがどんどん増えてきています。今後は、そのアイデアを実現していくことに積極的に取り組んでいきたいですね。

エムプラスプラス株式会社 代表 藤本 実(ふじもと・みのる)さん
布のように柔らかでさまざまな形状に変化する素材がディスプレイとなり、映像を表示することができるようになる。「LED VISION DRONE」を実現可能としたその技術革新は、ディスプレイの可能性を今後、一層広げていきそうです。

近年では、屋外大型ビジョンなど、DOOH(デジタル屋外広告)の活用はいろいろと模索されていますが、位置情報データとの連携や、飛び出して見える3D動画による映像表現など、注目のテクノロジーと組み合わせることで、広告表現や店頭での映像活用の新しい可能性を切り開くかもしれません。

Written by: BAE編集部

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