左:InstagramアカウントBoys Beauty(@boysbeauty_jp) 右:2019年開催メンズメイクのタッチ&トライイベントの様子リッチテキストを入力してください
【アンケート】YouTube動画を視聴する頻度はどのくらいですか?
出典:調査会社モニターを利用したインターネット調査・分析
堀――オンラインが加速する一方で、リアルの価値も変わりつつあると思います。下がったのではなく、むしろ高まったのではないでしょうか。
牛窪――オンライン上でも、会話や旅気分は楽しめますが、旅先で枕投げをする、なんてことはできません。やっぱりオンラインには限界がありますから、リアルの価値が失われる、ということは考えにくいと思っています。ただ、オンラインだからできることの“発見”も、今回のコロナは多かったように感じています。
堀――嵐のライブ「アラフェス2020 at 国立競技場」は、オンライン開催となったことで、定員がなくなり、本来であれば収容できないようなユーザーが視聴したといいますし、オンラインイベントのポテンシャルを示した形になりましたよね。
牛窪――結局コロナ禍では、ライブ会場に行けても、大きな声で声援を送ることができない。ところが、自宅で声援代わりにスマホを振れば、その様子が会場に反映されるなど、オンラインとリアルをつなぐ仕掛けが生まれました。「オンラインでも楽しい」がさまざまな形で誕生したこともよかったですよね。ちなみに今年、3密を避けるために実施された「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス」も、バーチャル空間上で世界から約40万人が参加したそうです。
堀――コロナによって、さまざまなことが変わりましたが、これを一過性のものと捉えるかどうかという問題があると思います。牛窪さんは「2021年の消費傾向」をどのように分析していますか?
牛窪――東京オリンピックについては、未だ開催についての議論が続いていますが、2021年、もし開催されれば、大きな話題になることは間違いないですよね。そのなかでまた、私たちは「つながる大切さ」を再認識し、「日本全国や世界とつながりたい」という気持ちが高まるのではないでしょうか。特に私は、「家族のつながり」を感じられるようなツールやサービスのニーズが高まるのではないかと考えています。
販売戦略の部分では、たとえコロナが収束しても、2021年秋にデジタル庁が新設されますし、オムニチャネルの重要性は変わらないでしょう。ライブ配信やライブコマースを活用して、リアルとオンラインをいかにシームレスにつなげるか。そのためには、部署を超えた全社的に連携や、顧客情報の共有・分析が不可欠といえます。
そして最後に、消費のリーダー的存在である「Z世代」に言及すると、企業は今後、彼らの多様性をコミュニティとして捉え、フォロワー数よりも“信頼性”を重視するSNS世代の彼らの心をいかに掴むかが重要になるでしょう。そのためには、一発信者である企業も、信頼される存在になることが不可欠です。それはサステナビリティに対する意識の高い彼らに向けたSDGsへの取り組みかもしれませんし、違うファクターかもしれません。企業として、消費者との向き合い方がより重視される時代に入っていくことは間違いないと感じています。
堀――牛窪さんとお話しをして、Z世代は上の世代と異なる特性が多くある、ということを再認識しました。彼らが今後社会に出たとき、「コスパの悪い」習慣やサービスが淘汰されていくのは明白です。手遅れになる前に、企業側は今のうちから未来に向けた準備を進め、改善していく必要があるのではないかと思いました。本日はありがとうございました。
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