CES 2022は、2021年の完全オンライン開催の経験からか、早々にハイブリッド開催を発表していました。その甲斐もあって、出展者数はそれなりに伸びると思われていましたが、昨年末から米国でも感染が再拡大。最終的な出展者数は、800社のスタートアップ企業を含む2,300社以上と、2020年の4,500社に比べて半分近くにとどまりました。
同じく実用化では、レベル3(自動運転の技術レベルで、システムがすべての運転タスクを実施するが、システムの介入要求などに対してドライバーが対応することが必要な段階)を目指す自動運転技術の開発競争が本格化し、スマートモビリティやエアタクシーを含む「Future of Mobility」としてCESでの注目度が高まっています。
「AUTOMOTIVE」ジャンルでは、既存のモーターショーよりいち早くEVや自動運転車の未来ビジョンを展示してきましたが、ボディカラーをEinkで変化させるBMWの「BMW iX Flow featuring E Ink」のように、デザイン性とあわせて車両で使用する電力の削減につなげるアイデアが大きな注目を集めました。
電子書籍のディスプレイなどにも使われているEinkで車体のカラーを変化させるBMW iX Flow
サブカテゴリの「Vehicle Technology」ではガソリンに代わって使用するエネルギーの開発とその提供方法までトータル開発するアイデアも出展され、「Future of Mobility」につながる電動自転車やバイクなどのスマートモビリティもまだまだ新しい製品が登場しています。これらにはなぜか「5G&IoT」のサブカテゴリになっている「Smart Cities」「Resilience」「Sustainable」とあわせて、都市開発を支える新しい技術やアイデアが世界から集まっていますが、今年は残念ながらオンラインだけでの発表も少なくありませんでした。環境問題の解決には、新しく追加されたFood TechやSpace Techも関わってくるので、来年はどのような展示があるのか期待したいところです。
デジタル業界を中心に国内外で開催されるカンファレンスやイベントの取材、インタビューなどの記事を IT やビジネス系オンラインメディア向けに執筆する他、マーケティング調査やリサーチ分析などの活動を行う。対象ジャンルは世界のスタートアップ市場をはじめ、スマートシティ、モビリティ、ロボティクス、AI、XR、デジタルヘルス、ウェアラブルなど多数。